
きらら397って、そもそも何と何を掛け合わせて作られたお米なんだろう?
きらら397の親品種は「しまひかり」と「キタアケ」で合ってる?
コシヒカリの血統が入っているって聞いたけど、コシヒカリが直接の親なの?
北海道のお米「きらら397」を調べていると、「親は何?」「コシヒカリの系統なの?」「ゆめぴりかにもつながっているの?」と、味だけではなく品種の系譜が気になってきます。
私自身、きらら397を約23年ぶりに意識して購入して食べ、さらに旭川にある北海道立上川農業試験場跡の記念碑も見てきました。
そこで改めて調べてみると、きらら397は単に昔からある北海道米ではなく、その後の品種改良へ枝を伸ばしていった、とても興味深いお米だと分かりました。
きらら397の直接の親は「しまひかり」と「キタアケ」です。
さらに「しまひかり」側をさかのぼるとコシヒカリにつながり、反対にきらら397から先をたどると「ほしのゆめ」「きたいぶき」「吟風」、さらに「おぼろづき」や「ゆめぴりか」などへ系譜が続いています。
本記事では、「後継品種」と「子孫」を混同しないようにしながら、きらら397の家系図をできるだけ分かりやすくたどっていきます。
きらら397の系譜をまず確認
きらら397の系譜を見るときに、最初に押さえておきたいのが「直接の親」と「さらに前の祖先」を分けることです。
コシヒカリとのつながりを紹介している資料もあるため、「きらら397の親はコシヒカリなのかな?」と思うかもしれません。
しかし、コシヒカリは直接の親ではありません。
親はしまひかりとキタアケ
きらら397は、北海道立上川農業試験場で1980年に行われた「渡育214号(しまひかり)」と「道北36号(キタアケ)」の交配から誕生しました。
きらら397の直接の親
母側:渡育214号「しまひかり」
父側:道北36号「キタアケ」
この2品種を交配し、その後代の中から選抜されてきらら397が育成されています。
北海道立総合研究機構の育成資料によると、交配は1980年。さまざまな選抜や試験を経て、1988年2月に北海道の奨励品種に採用されました。
つまり、きらら397は突然登場したお米ではありません。味のよいお米と、北海道の気候に適したお米の良いところを組み合わせようとして生まれた品種です。
(出典:北海道立総合研究機構「水稲新品種『きらら397』の育成について」)
家系図で祖先までたどる
もう少し前までたどると、きらら397とコシヒカリとの関係も見えてきます。
| 系譜 | 交配・つながり |
|---|---|
| コシヒカリ | コシホマレにつながる祖先 |
| コシホマレ | コシヒカリを親に持つ系統 |
| しまひかり | コシホマレ×そらち |
| キタアケ | 永系7361×道北5号 |
| きらら397 | しまひかり×キタアケ |
一本の線にすると、しまひかり側は「コシヒカリ→コシホマレ→しまひかり→きらら397」という流れになります。
そのため、「きらら397にはコシヒカリの血統が入っている」という説明はできますが、「きらら397はコシヒカリを直接の親に持つ」という意味ではありません。
お米の家系図は、人間でいう「親」と「祖父母」「曾祖父母」を全部まとめて考えると分かりにくくなります。
きらら397の場合は、まず「親=しまひかりとキタアケ」と覚えておくと、その先の系譜がぐっと追いやすくなりますよ。
交配で目指した北海道米
では、なぜ「しまひかり」と「キタアケ」を交配したのでしょうか。
ここが分かると、きらら397という品種の意味が見えてきます。
当時の北海道では、単においしいお米を作ればよいのではなく、低温の影響を受けやすい北海道でも栽培しやすく、おいしさも備えた品種が求められていました。

しまひかりの食味を生かす
親のひとつである「しまひかり」は、食味に優れた品種でした。
一方で、北海道で広く栽培するには課題もありました。
上川農業試験場の解説では、しまひかりはおいしいものの寒さに弱く、北海道南部など栽培できる地域が限られていたと説明されています。
北海道で食味のよいお米を広く作りたいなら、味だけを残しても十分ではありません。冷え込みにも対応できるようにする必要があります。
そこで組み合わせられたのが、もう一方の親であるキタアケでした。
キタアケで低温適応を補う
キタアケは、しまひかりと比べると食味の面では劣るものの、寒さに対応しやすい性質を持っていました。
つまり、品種改良の狙いをとても簡単に表すなら、「しまひかりのおいしさ」と「キタアケの北海道で育てやすい性質」を一つのお米にできないかということです。
実際に完成したきらら397は、しまひかりより早く成熟し、耐冷性も改善されました。さらに玄米や白米の白さ、食味なども評価されています。
親の良いところを足せば、そのまま理想の品種になるわけではありません。
交配後にできたたくさんの稲にはさまざまな性質が現れるため、その中から目的に合うものを何世代にもわたって選びます。お米の品種改良が長い年月を必要とする理由のひとつです。
8年かけて選抜された
きらら397は、1980年の交配から1988年の奨励品種採用まで、およそ8年をかけて育成されました。
その間には、寒さへの耐性、いもち病への抵抗性、収量、玄米の品質、食味など、さまざまな試験が行われています。
上川農業試験場の解説によると、育成期間を短縮するために秋や冬にも稲を育て、1年間に複数世代を進める方法も利用されていました。
私たちがお店で一袋のお米を手に取るまでには、そのずっと前に、交配して、育てて、選び、また育てて、食べて確かめるという積み重ねがあります。
きらら397の「397」という数字も、育成途中の系統名「上育397号」に由来しています。今では親しみのある商品名に見えますが、もともとは研究の過程で付けられていた番号なのです。
きらら397が受け継いだ特徴
家系図だけを見ると品種名の羅列になってしまいますが、面白いのは「何を受け継ごうとしたのか」です。
きらら397では、食味を保ちながら、早く成熟する性質や耐冷性を改善することが大きな目的でした。その結果が、北海道米のその後にもつながっていきます。
食味とアミロースの改良
北海道米の品種改良では、食味を考えるうえでアミロース含有率も重要な要素として調べられてきました。
一般に炊飯したご飯の粘りや食感には、アミロース量をはじめ、タンパク質、炊飯条件など複数の要素が関係します。
そのため、単純に一つの数値だけで「おいしい・おいしくない」を決めることはできません。
それでも、きらら397の誕生は、北海道で食味を重視した品種改良を進める大きな流れのひとつになりました。
さらに後の品種では、きらら397そのものや、きらら397から生まれた系統を親として利用しながら、より粘りのあるご飯、耐冷性に配慮したお米、酒造りに向くお米など、目的に合わせた改良が続いていきます。
早生化と耐冷性を目指した
北海道では、秋までにきちんと実らせるために、成熟する時期も重要です。
きらら397は「しまひかり」の食味を受け継ぎながら、より早く成熟する方向へ改良されました。耐冷性についても、しまひかりより改善されています。
ただ、品種改良は「すべての項目で満点」を作るものではありません。育成時の資料を見ると、きらら397にも倒伏や登熟などの課題がありました。
だからこそ、その後もきらら397を親にした新しい品種が育成されていきます。
きらら397で北海道米の品種改良が終わったのではなく、そこから次の改良へつながったと考えると分かりやすいです。
実食で感じた粒立ち
私は今回、北海道産きらら397を購入し、約23年ぶりに銘柄を意識して食べました。

炊飯には8年ほど使っているタイガーの圧力IH炊飯器「炊きたて」を使い、「極うま」モードで約60分。炊き上がってふたを開けたとき、子どもの頃に実家のガス炊飯器を開けたときのような、懐かしいご飯の香りを感じました。
食べてみると、私には甘みやもちもち感がかなり控えめに感じられました。
その代わり、一粒一粒がしっかりしていて、口の中でほどけやすい食感です。

今の北海道米には、ゆめぴりかのように粘りや甘みを感じやすい品種もあります。それと比べると、きらら397は方向性がかなり違います。
ただ、私はそれを「まずい」とは感じませんでした。ご飯だけが前へ出すぎず、おかずと合わせやすい。丼やカレーにも合いそうな、あっさりした食べやすさがありました。
実際に食べたときの炊き方や翌日の変化まで詳しく知りたい場合は、きらら397を実際に食べたレビューで紹介しています。
「久しぶりに食べてみたい」「自分の好みに合うか確かめたい」という場合は、いきなり大容量ではなく、まずは少量から試すと選びやすいです。
▼きらら397を少量から試してみる
きらら397から続く子孫
ここからは家系図を反対方向へたどります。
きらら397は完成して終わりではなく、その後の北海道米の育種材料として使われました。
農研機構のイネ品種データベースを見ると、きらら397を親にした複数の系統を確認できます。
(出典:農研機構「イネ品種データベース検索システム きらら397」)
| 品種 | きらら397との関係 | 交配の概要 |
|---|---|---|
| きたいぶき | 直接親として使用 | 上育395号×上育397号 |
| ほしのゆめ | 直接親として使用 | あきたこまち/道北48号//上育397号 |
| 吟風 | 直接親として使用 | 八反錦2号/上育404号//きらら397 |
| おぼろづき | 変異系統を経由 | あきほ×北海287号 |
| ゆめぴりか | 複数経路で系譜につながる | 北海287号系統×ほしたろう |
| ふっくりんこ | ほしのゆめを経由 | 空系90242B×ほしのゆめ |
ここで大切なのは、すべてを単純に「きらら397の子ども」と呼ばないことです。直接交配に使われた品種もあれば、きらら397から一世代、二世代と進んだ先にある品種もあります。
ほしのゆめは直接の子孫
「ほしのゆめ」は、きらら397とのつながりがとても分かりやすい品種です。
1988年に「あきたこまち」と「道北48号」の組み合わせに、上育397号、つまりきらら397を交配して育成されました。1996年に北海道の奨励品種となっています。
育成の狙いには、良食味と耐冷性の両立がありました。ほしのゆめは食味で、きらら397を上回ると評価されています。
面白いのは、きらら397自身が「味と北海道で育てやすい性質」を求めて生まれ、そのきらら397がまた次の良食味米を作る親になったことです。
しまひかり→きらら397→ほしのゆめと見ると、北海道米の食味改良が一代で終わらず続いてきたことが分かります。
きたいぶきと吟風にも続く
きらら397を直接交配に使った品種は、ほしのゆめだけではありません。
「きたいぶき」は、1985年に「上育395号(はやまさり)」と「上育397号(きらら397)」を交配して育成されました。
直播栽培で利用することを考えた品種で、1993年に命名・登録されています。
さらに北海道の酒米「吟風」にも、きらら397が入っています。
吟風は「八反錦2号」と「上育404号」の組み合わせに、きらら397を交配して育成された品種です。
2000年に北海道の奨励品種となり、北海道で初めて心白を持つ酒造好適米として育成されました。
きらら397の系譜は「普段食べる白米」だけに続いているわけではありません。直播向けのきたいぶき、酒造用の吟風など、用途の違う品種にも利用されています。
家系図を見ていると、品種改良は単なる「もっとおいしくする競争」ではないことが分かります。栽培方法、寒さ、病気、収量、用途など、その時代に求められる条件によって目標が変わるのです。
おぼろづきへ受け継がれる
「おぼろづき」も、きらら397につながる品種です。ただし、きらら397をそのまま直接交配したわけではありません。
おぼろづきは「あきほ」と「95晩37」の交配から育成されています。この95晩37は後の「北海287号」で、きらら397から生まれた低アミロースの培養変異系統です。
家系図として表すなら、きらら397→北海287号→おぼろづきという流れになります。
おぼろづきではアミロース含有率が低くなり、炊飯したご飯の粘りややわらかさが特徴になっています。
私が実際に食べた印象も含めて知りたい場合は、おぼろづきの味や特徴を紹介した記事も参考にしてみてください。
あっさりした粒感を感じたきらら397と、その系譜から生まれたおぼろづきを食べ比べてみると、品種改良による食感の違いを身近に感じられると思います。
ふっくりんことゆめぴりか
北海道米として知名度の高い「ふっくりんこ」や「ゆめぴりか」までたどっても、きらら397とのつながりが見えてきます。
ふっくりんこは「空系90242B」と「上育418号(ほしのゆめ)」の交配から育成されています。ほしのゆめは先ほど見たように、きらら397を直接親に持つ品種です。
そのため、きらら397→ほしのゆめ→ふっくりんこという流れをたどれます。
そして、さらに興味深いのが「ゆめぴりか」です。
ゆめぴりかは「札系96118」と「上育427号(ほしたろう)」を交配して育成されました。
札系96118は、後の北海287号にあたり、きらら397の変異系統です。一方の「ほしたろう」は「ほしのゆめ」を親に持ち、そのほしのゆめにもきらら397が入っています。
つまり、ゆめぴりかは一方向だけではなく、母側の北海287号と、父側へ続くほしのゆめの系譜の両方から、きらら397につながっています。
ゆめぴりかまでの主な流れ
きらら397→北海287号→ゆめぴりか
きらら397→ほしのゆめ→ほしたろう→ゆめぴりか
現在のゆめぴりかだけを見ると、きらら397とは味も食感もかなり違って感じます。私が食べたゆめぴりかは甘みが濃く、もちもち感が印象的でした。
それでも家系図をさかのぼればきらら397へ戻ってくる。品種の名前だけを見ていると気づきにくいところです。
ゆめぴりかの実食感については、ゆめぴりかを実際に食べたレビューでも詳しく紹介しています。
そらきらりは子孫なのか
きらら397を調べていると、新品種「そらきらり」が「きらら397の後継」と紹介されることがあります。
ここは少し注意したいところです。「後継品種」と「きらら397を直接親に持つ子孫」は同じ意味ではありません。
後継品種と血統は別の話
「後継」という言葉は、農業や商品では「これまで担ってきた役割を次の品種が引き継ぐ」という意味でも使われます。
そらきらりは、長年にわたって家庭用や業務用で利用されてきたきらら397に代わり、これからの北海道でその役割を担う品種として期待されています。
だからといって、「きらら397×○○から直接そらきらりが生まれた」という意味で「後継」と呼ばれているわけではありません。
家系図を見るときは「後継=子ども」と考えないようにしましょう。
血統上の親子関係と、生産・流通上の役割を引き継ぐ関係は別です。
役割を引き継ぐ新しい米
そらきらりは2023年に登場した北海道米で、きらら397に代わる品種として普及が期待されています。
業務用のお米では、おいしさだけでなく、収量の安定、病気への対応、加工のしやすさなども重要です。
長年使われてきたきらら397の役割を踏まえながら、今の生産現場で求められる条件に対応するために生まれたのが、そらきらりです。
きらら397が今どこで買えるのか、そらきらりとの違いも含めて知りたい場合は、きらら397が売っている場所を調べた記事で紹介しています。
系譜を知ると選びやすい
品種の系譜は、ただ家系図を眺めるための情報ではありません。
「自分はどんなご飯が好きなのか」を考えるときにも役立ちます。同じ北海道米でも、品種改良で目指してきた方向によって、粘りや食感、用途はかなり違います。
あっさり粒感ならきらら397
私が実際に食べたきらら397は、甘みやもちもち感が前面に出るタイプではありませんでした。
しゃもじでほぐしたときも軽く、一粒ずつが離れやすい印象。白ご飯そのものの粘りや甘みを味わうというより、おかず、丼、カレー、チャーハンなどと一緒に食べたくなるお米でした。
ゆめぴりかのようなもちもちした北海道米を想像して買うと、かなり違うと感じるかもしれません。
一方で、粘りが控えめなご飯が好きなら、この違いが魅力になります。
きらら397を通販で探して実際に食べ比べてみると、系譜だけでは分からない食感まで実感できます。
▼北海道産きらら397 5kgの価格と在庫を比較する
もちもち感なら子孫も候補
「北海道米は好きだけど、もう少し粘りのあるご飯が好き」という場合は、きらら397の系譜をたどりながら、おぼろづきやゆめぴりかまで見てみるのも面白いです。
特に、きらら397から北海287号を経てつながる低アミロース系統は、北海道米の食感が変わっていく流れを理解するうえで分かりやすい存在です。
ただし、子孫だから味がそのまま似るわけではありません。途中で別の品種との交配や選抜を何度も重ねるため、同じ祖先を持っていても性質は変わります。
だからこそ、北海道米の食べ比べセットで複数品種を試すのも楽しみ方のひとつ。家系図を知ってから食べると、「こんなに違うんだ」と感じられるかもしれません。
▼きらら397から今の北海道米へ、味の違いを少量ずつ食べ比べる
いきなり大袋を買わずに複数の北海道米を試せるので、系譜を読んだあとに味や粘りの違いを確かめたい方に向いています。
私は、品種の系譜を知ったあとにもう一度食べてみるのが好きです。「このあっさりした感じから、あのもちもちしたゆめぴりかへつながっているんだ」と思うと、いつもの一杯が少し違って見えてきます。
きらら397の歴史を現地で見る
私は旭川へ行った際、きらら397の育成に関わった北海道立上川農業試験場跡の記念碑も見てきました。

資料の中で「1980年に交配」「上育397号」と読んでいるだけだと、どうしても昔の出来事という感じがします。
ところが、実際に育成品種が刻まれた記念碑を見ると、北海道のお米は、研究者が一つずつ交配と選抜を重ねてきた結果なのだと実感できました。
きらら397以前にも北海道米の品種改良は続いていましたし、きらら397以降も、ほしのゆめ、おぼろづき、ゆめぴりかなどへ研究は続いています。
その長い流れの中で見ると、きらら397は北海道米がおいしくなっていく途中にある大きな分岐点のような品種なのだと思います。
今ではスーパーで見かける機会が以前より少なくなりましたが、その名前が家系図のあちこちに残っていることを考えると、北海道米に与えた影響の大きさがよく分かります。
きらら397の系譜に関するよくある質問(FAQ)
最後に、きらら397の親品種や家系図を調べていると分かりにくいポイントをまとめます。
Q1. きらら397の親品種は何ですか?
A. きらら397の直接の親は「しまひかり」と「キタアケ」です。1980年に北海道立上川農業試験場で「渡育214号(しまひかり)」と「道北36号(キタアケ)」を交配し、その後代から選抜されました。
Q2. コシヒカリはきらら397の親ですか?
A. 直接の親ではありません。しまひかり側の系譜をさかのぼると「コシヒカリ→コシホマレ→しまひかり→きらら397」とつながります。そのため、コシヒカリはきらら397の祖先のひとつと考えると分かりやすいです。
Q3. ほしのゆめはきらら397の子孫ですか?
A. はい。ほしのゆめは「あきたこまち/道北48号//上育397号(きらら397)」の交配から育成されており、きらら397が直接交配に使われています。
Q4. ゆめぴりかもきらら397の系譜ですか?
A. はい。ゆめぴりかの母側にあたる札系96118、後の北海287号は、きらら397から生まれた変異系統です。さらに父側のほしたろうも、きらら397を親に持つほしのゆめにつながるため、複数の経路できらら397の系譜を受け継いでいます。
Q5. そらきらりはきらら397の子どもですか?
A. 「きらら397の後継品種」と紹介されますが、ここでいう後継は、きらら397が担ってきた生産・業務用などの役割を引き継ぐという意味です。「後継品種」と「きらら397を直接親にした子ども」は分けて考える必要があります。
きらら397の系譜まとめ
きらら397の家系図をたどると、この品種が北海道米の歴史の中でどのような位置にいるのかが見えてきます。
- 直接の親は「しまひかり」と「キタアケ」
- しまひかり側をさかのぼるとコシヒカリにつながる
- 食味と北海道での栽培適性を両立するために育成された
- ほしのゆめ・きたいぶき・吟風などに直接受け継がれた
- 北海287号を経て、おぼろづきやゆめぴりかにもつながる
- ほしのゆめを経て、ふっくりんこやゆめぴりかへも系譜が続く
- そらきらりは役割を引き継ぐ後継品種で、血統上の直接の子どもという意味ではない
私が実際に食べたきらら397は、甘みやもちもち感が控えめで、一粒ずつがほどけやすいあっさりしたお米でした。
そのきらら397から系譜をたどった先に、粘りのあるおぼろづきやゆめぴりかがいると思うと、お米の品種改良の面白さを感じます。
しまひかりとキタアケから生まれた一つの品種が、また次の品種の親や祖先になり、今の北海道米へつながっている。きらら397は、そんな北海道米の流れを知るうえで欠かせない品種です。
きらら397を食べる機会があったら、ぜひ今の北海道米とも食べ比べてみてください。系譜を知ってから味わうと、「昔のお米」としてではなく、今のお米につながった一杯として楽しめると思います。