
きらら397って、やっぱりまずいお米なのかな…
きらら397がまずいって聞くと、「買って後悔しないかな…」って不安になりますよね。
あなたがきらら397の味にモヤっとしているのは、きらら397がまずい理由や、口コミ、他のお米との比較をちゃんと整理したいからだと思います。
特に、ゆめぴりかや、ななつぼしとの比較でどう感じる人が多いのかは気になるところ。さらに、備蓄米の関係や吉野家で使われた話、アミロース特性などの背景まで知ると、評価がブレにくくなります。
本記事では、きらら397がまずいと言われるポイントを正面から整理しつつ、日常でちゃんとおいしく食べるための現実的なコツまで解説します。
きらら397がまずいと言われる理由とは?評価・口コミ・品種から検証
まずは、味の淡白さ、粘り、冷めたときの食感、そして米そのものの鮮度や当たり外れ。ここを押さえると、あなたの違和感がどこから来たのか見えやすくなりますよ。
- きらら397がまずいと言われる理由
- きらら397の通販の口コミと評判
- きらら397はまずい?SNSの口コミから見えた評価
- きらら397の特徴や品種・ランクを解説
- 由来と397の意味とは?
- ゆめぴりか・ななつぼしと何が違う?
- きらら397が備蓄米と呼ばれる背景は?
きらら397がまずいと言われる理由

きらら397が「まずい」と言われるとき、だいたい話題になるのは甘みの弱さと粘りの控えめさです。
最近は、ゆめぴりかみたいな“甘くてもっちり”が好きな人も多いので、そういう期待値で食べると、きらら397はどうしても淡白に感じやすいんですよね。
もうひとつは、時間が経ったときの変化。炊きたては普通に食べられても、冷めると粒が立って「パラッ」としやすいので、柔らかめ・もちもちが好みだと「パサつく」と感じることがあります。
まずいと感じる原因は「品種の欠点」よりも、好み・用途・炊き方のミスマッチで起きることが多いです。
さらに見落としがちなのが鮮度。どのお米も同じですが、精米してから時間が経つほど香りや甘みが落ちやすいです。
きらら397は業務用でも流通しやすいタイプなので、購入ルートや在庫状況によっては「いつ精米されたか」で体感が大きく変わることがあります。
きらら397の通販の口コミと評判
ここでは、Amazonや楽天市場の口コミを参考にしながら、通販で購入した人の声を紹介します。
実際の評価を見ると、きらら397は向き・不向きがはっきり出やすいお米だと分かります。
粒感がしっかりしていて、噛むほどに甘みが出る。水分多めのご飯が苦手な自分にはちょうどいい食感
何年もリピートしている。値上がりしてもやめられないくらい好みに合っているお米
あっさりしていて食べやすい。冷めても味が落ちにくく、お弁当にも向いている
真空パックで届くので長期保存できて安心。小分け対応もありがたい
粒が揃っていて見た目もきれい。ショップの対応が丁寧で、発送も早かった
炊きたてでもパラパラしていて、新米らしさを感じなかった。もちもち系が好きな人には合わないと思う
味が淡白で、白ご飯として食べると物足りない。好みがかなり分かれそう
価格がかなり高くなっていて、普段使いには少し厳しい
チャーハン向きと書いてあった通りで、毎日白ご飯で食べる用途には合わなかった
通販の口コミを総合すると、きらら397は粒感・あっさり系が好きな人には高評価ですが、もちもち食感や強い甘みを期待すると不満が出やすいお米です。
価格や保存性も含めて、自分の食べ方に合うかどうかを考えて選ぶのがポイントと言えます。
きらら397はまずい?SNSの口コミから見えた評価
前回、新米が美味しいってポストしたけど北海道のお米がこんなに美味しくなったのって何時ぐらいからかなー。遠い昔食べた「きらら397」は子供心にパサパサしてると思っていた記憶。でも今のきらら397は美味しいし、ななつぼし、ゆめぴりかは素晴らしいの一言!農家さんの改良努力に感謝!✨
ゆめぴりかもいいけど、きらら397のほうがいいな
お米が美味しくておかわりしてしまった。やはりきらら397は旨い……きららが美味しすぎるのが悪い……
ちょっと嬉しかった事 我が家の米事情なのだが、10年近くコープの定期便にしている。家族の好みが柔らかめより弾力のある方なので「きらら397」を固定注文していたのだが、この1年近く米騒動のせいか代替の品種の米が届いていた。 そして……今月久しぶりに「きらら」が届いた😭やはりお米って大事だな
見たことなかったお米の銘柄を衝動買いしたんだけど意外なほど味気ない これは古古米だからなのかそれともこのお米自体が元々そうなのかどっちなんだろう 炒飯やら海苔やらふりかけやらで美味しくいただいてますがちょっと新米でもコレ買ってみるか きらら397の古米でも美味しかったんだけどな
ちなみに今食べてるのは、以前コメリで買ったきらら397。 これねー、おいしいんですよ…! コメリはお米もうまい…(もともとお米屋さんだし…
きらら397好きなんだけど、希少種なのよね。なかなか見つからない!お近くの方、イイわね!
北海道の米、本当に美味くなりましたね きらら397、ななつぼし、ゆめぴりかと経て今やうまいコメの産地ですから
きらら397が入ってる時点で激熱。 昔まずいと言われた北海道米がこれによって評価され始めて吉野家の米にも採用されたからね。 #弁当屋さんのおもてなし
北海道はそう、米がまずいと言われ続けてた。いまやうちではゆめぴりかか、ななつぼし買ってる。きらら397はおいしくないって言われてるイメージ強い
きらら397がまずいとおっしゃるなら、それ以前のユーカラとか、もう地獄ですよ。
人生で一番まずいと思ったお米はきらら397です。 おやすみなさい。
きらら397についてSNSの口コミを幅広く見ていくと、評価は一方向ではなく、時代・記憶・食べ方・米の状態によって大きく分かれていることがはっきり分かります。
「まずい」というイメージだけで語られがちですが、実際の声はもっと複雑です。
まず、近年の投稿ではポジティブな口コミが目立ちます。
ブレンド米を食べ終え、新米のきらら397を炊いたところ、「朝に圧力鍋で炊いておにぎりにしたら美味しかった」「名前で選んだわけじゃないけど、普通に美味しい」という声があり、新米+炊き方で印象が大きく変わっている様子がうかがえます。
また、「昔食べたきらら397は子ども心にパサパサしていた記憶があるが、今のきらら397は美味しい」「ななつぼしやゆめぴりかも含めて、北海道の米は本当に良くなった」という投稿もあり、過去の記憶と現在の品質を分けて評価している人が少なくありません。
農家の改良努力に感謝する声が添えられているのも印象的です。
好みの問題がはっきり出ている口コミもあります。
「ゆめぴりかもいいけど、きらら397のほうが好き」「お米が美味しくておかわりしてしまった」「きららが美味しすぎて食べすぎる」といった声からは、もちもち系よりも弾力や粒感を評価する層が確実に存在していることが分かります。
家庭の事情に根ざした口コミもリアルです。
10年近く宅配でお米を頼み、家族の好みが柔らかめより弾力重視だったため、きらら397を固定注文していた家庭では、しばらく代替品種が続いたあと、久しぶりにきらら397が届いて「やっぱりお米って大事だな」と感じたという声がありました。
これは、一度ハマると代えが効かないタイプのお米であることをよく表しています。
一方で、ネガティブな口コミも確かに存在します。
見慣れない銘柄を衝動買いして「意外なほど味気ない」と感じた人や、「人生で一番まずいと思ったお米がきらら397」という強い表現の投稿もありました。
また、「きらら397はまずい代表じゃないの?」といった、イメージ先行の声も過去には多く見られます。
ただし、否定的な口コミをよく読むと、「古古米だったのかもしれない」「炒飯やふりかけで美味しく食べられた」「以前食べたきらら397の古米は美味しかった」といった補足が付いているケースもあり、品種そのものよりも状態や用途に原因を求めていることが分かります。
さらに、きらら397の立ち位置を評価する声もあります。
「きらら397が入っている時点で激熱」「昔まずいと言われていた北海道米が評価され始めたきっかけの品種」「吉野家の米にも採用された」という投稿は、歴史的な役割を理解した上での評価と言えるでしょう。
これに対し、「北海道米は昔まずいと言われていた」「きらら397はおいしくないイメージが強い」という投稿もあり、評価が世代や情報量によって分かれていることが見て取れます。
全体として、SNS上のきらら397の口コミは、過去の悪評が強く残っている一方で、現在の品質や用途を理解している人ほど評価が高いという構図になっています。
「まずい」と断じている声の多くは、古い体験やイメージに基づくものが多く、近年の実食レビューでは「普通に美味しい」「むしろ好き」という声が着実に増えています。
きらら397は、誰にでも無条件に刺さるお米ではありませんが、食感の好みや炊き方、米の鮮度が合ったときには強く支持されるタイプのお米だということが、SNSのリアルな口コミからははっきり伝わってきます。
きらら397の特徴や品種・ランクを解説
きらら397は、北海道で生まれた代表的な水稲品種のひとつで、ひとことで言うと「粒感がはっきりした、あっさり系の実用米」です。
最近主流の甘くてもちもち系とは方向性が違うため、この前提を押さえておくと評価のブレが少なくなります。
1988(昭和63)年、北海道で「きらら397」は誕生しました。
北海道米がまだ厳しい評価を受けていた時代に、「美味しい北海道米を作る」という強い想いのもとで生まれた品種です。
きらら397の品種としての特徴
きらら397は、かつて「北海道米はパサパサして美味しくない」と言われていた時代に、そのイメージを変えるために開発されました。
低アミロース化によって食感を改善し、北海道米の評価を底上げする転換点となった存在です。
この品種の成功があったからこそ、その後にななつぼし、ゆめぴりかといった評価の高い北海道米が次々と生まれました。
きらら397は、そうした品種の“土台”として、北海道米の歴史に深く刻まれています。
味・食感の方向性

きらら397の味わいは、強い甘みや粘りで主張するタイプではありません。
噛むほどにじわっと甘みが広がり、一粒一粒の輪郭が分かる軽やかな食感が特徴です。
- 甘み:控えめで後味がすっきり
- 粘り:中〜やや控えめ
- 食感:粒立ちが良く重たくならない
- 香り:料理を邪魔しにくい穏やかさ
この性質から、白ご飯単体で感動を狙うお米というより、おかずと一緒に食べたときに完成するお米と言えます。
もちもち最優先ではなく、毎日の食卓で「食べ続けやすい」ことを重視したお米です。
向いている使い方
粒感が崩れにくいきらら397は、次のような料理と相性が良いとされています。
- 牛丼・親子丼などの丼もの
- カレー・ハヤシライス
- 炒飯・ピラフ
- 定食の白ご飯(おかずを主役にした献立)
きらら397のランクと評価の考え方
きらら397は、日本穀物検定協会の食味ランキングにおいて、過去にはA評価(良好)に位置づけられてきた品種です。
特A常連の品種とは評価軸が異なり、派手さよりも安定性と実用性が評価されてきました。
A評価は「良好」を意味し、決して低い評価ではありません。日常食としての完成度が認められた結果と捉えると分かりやすいです。
食味ランキングは年度・産地・評価条件によって変動します。最新かつ正確な情報は公式発表をご確認ください。購入の最終判断は、ご自身の好みも大切にしてください。
きらら397は、誕生から30年以上経った今も、北海道米の評価を変えた「原点」として語られる品種です。
特Aではなくとも、毎日の食卓に静かに寄り添い続けてきた価値は、数字以上に大きいものがあります。
由来と397の意味とは?
「きらら397」という名前は少し不思議ですよね。数字が入っていることもあって、「品番?」「ランダム?」と感じる人も多いと思います。
でも実は、この名前には北海道米の歴史と開発現場の想いがそのまま詰まっています。
きらら、という名前の由来
「きらら」は、炊き上がったご飯が白くつやつやと輝く様子をイメージして名付けられました。北海道の雪景色や、光を反射するような美しい白米の姿を連想させる名前です。
この品種名は、研究者だけで決められたものではなく、一般公募によって選ばれたという背景があります。
当時、北海道米はまだ「味が劣る」というイメージが強く、親しみやすく前向きな名前で印象を変えたい、という狙いもありました。
「きらら」という柔らかい名前は、北海道米のブランド化の第一歩とも言える存在です。
397という数字の意味
一方で「397」は、決して語感合わせの数字ではありません。これは、きらら397が育成されていた段階で付けられていた系統番号に由来しています。
開発中、この品種は「上育397号(じょういく397ごう)」と呼ばれていました。上川農業試験場で数多くの系統が試験栽培される中、その中のひとつが397番だった、という非常に現場寄りの理由です。
つまり「397」という数字は、研究と試行錯誤の積み重ねの証でもあります。数百の候補の中から選び抜かれ、最終的に品種として世に出た番号が、そのまま名前として残った形です。
名前に込められた意味
「きらら」という親しみやすさと、「397」という研究番号。この組み合わせは、生活者と研究者の距離をつなぐ名前とも言えます。
華やかすぎず、でも覚えやすい。実用品としての誠実さと、北海道米の新しいスタートを象徴する名前として、きらら397は今も語り継がれています。
派手なブランド名ではありませんが、そこが逆に、このお米が30年以上、日常の食卓で選ばれ続けてきた理由なのかもしれません。
参考:日本経済新聞 きらら397は○、キラキラは× コメの名前どう決まる
ゆめぴりか・ななつぼしと何が違う?
きらら397、ゆめぴりか、ななつぼしの違いは、「どれが一番おいしいか」ではなく、どんな食べ方・生活スタイルに合うかで評価が分かれる点にあります。
言い換えると、役割がまったく違うお米なんですよね。
文章だけだと少し分かりづらいので、まずは全体像を表で整理してみます。
| 品種名 | 食感・粘り | 甘みの特徴 | 向いている用途 | 評価されやすい層 |
|---|---|---|---|---|
| きらら397 | 粒立ちが良く軽め | 控えめで後味すっきり | 丼物・カレー・炒飯 | あっさり派・業務用 |
| ななつぼし | 程よい粘りと硬さ | バランス型 | 白ご飯・弁当・和食 | 毎日安定重視 |
| ゆめぴりか | 強い粘りでもちもち | はっきり強い甘み | 白ご飯・薄味料理 | ご飯主役派 |
こうして並べると、きらら397だけ方向性が違うのが分かりますよね。ゆめぴりかはご飯そのものを楽しむ主役タイプ、ななつぼしは失敗しにくい万能タイプ、きらら397は料理を引き立てる脇役タイプです。
きらら397=引き算のおいしさ、ゆめぴりか=足し算のおいしさと考えると理解しやすいです。
ゆめぴりかは、ひと口目から甘みと粘りを強く感じるため、「おいしい」と感じやすい反面、味の濃いおかずと合わせると重たくなることがあります。
一方、きらら397は主張が控えめなので、牛丼やカレーのように味がしっかりした料理でも、ご飯が邪魔をしません。
ななつぼしはその中間で、炊きたて・冷めた後の安定感が強く、家庭用としてのバランスが非常に良いお米です。迷ったらななつぼし、という人が多いのも納得できます。
「きらら397がまずい」と感じた人の多くは、ゆめぴりかやななつぼし基準で評価してしまったケースがほとんどです。
この3品種は同じ土俵で比べるものではなく、食卓の役割で選ぶもの。その前提を知っているだけで、きらら397の評価はかなり変わってきますよ。
参考:北海道米LOVE 品種|北海道のお米
きらら397が備蓄米と呼ばれる背景は?
きらら397が備蓄米として名前が出ることがあって、「え、備蓄米ってことはまずいの?」と不安になる人もいます。
でも、備蓄で重視されやすいのは、ざっくり言うと供給の安定と品質のブレの少なさ、それから扱いやすさなんですよね。
もちろん、備蓄の運用上、保管期間が絡むと風味の差は出やすいので、流通しているお米を選ぶときは精米日や保存状態を気にしたほうが安心です。
備蓄用=まずい、と決めつけるのは早いです。気になるときは、購入時に精米年月日をチェックして、保管は高温多湿を避けるのがおすすめです。
きらら397の入手性(売ってない・どこで売ってる)も含めて知りたい方は、別記事で詳しくまとめていますので合わせてご覧ください。
きらら397は本当にまずい?23年ぶりに食べて感じた正直な答え
ここからは「じゃあ実際どう食べると満足しやすいの?」を詰めていきます。
品種の性格(アミロースなど)を押さえつつ、外食で評価された理由、家庭での炊き方・水加減・保存のコツまで、再現できる形に落とします。
- 【実食レビュー】まずいは本当?買って炊いて食べてみた
- 食感を左右するアミロース特性とは
- きらら397が吉野家で使われた理由
- きらら397を美味しくする炊き方
- パサつかせないための水加減と保存方法
- 高すぎなくて美味しく炊ける炊飯器
- 【まとめ】きらら397がまずいと思う前に知ってほしい食べ方と満足の形
【実食レビュー】まずいは本当?買って炊いて食べてみた

きらら397をちゃんと意識して食べるのは、実に23年ぶりくらいになると思います。
正直に言うと、子どもの頃は「今日はどのお米か」なんて考えずに食べていました。だからこそ今回、大人になった今、あらためてきらら397を味わうことに、妙なワクワク感がありました。
きらら397は北海道ではとても有名なお米ですが、「いつでも買える定番米」というイメージとは裏腹に、現在では流通量が減り、スーパーに並ぶ機会は少ない希少米になっています。
実際は業務用として使われることが多く、一般家庭で改めて炊く機会は少ないかもしれません。
開封〜洗米までの印象

袋を開けて最初に感じたのは、ほとんど無臭ということ。最近の甘みが強いお米のような、主張する香りはありません。
粒をよく見ると、割れ米ややや小粒なものも混ざっていますが、全体としては整っていて、悪い印象はまったくありません。
洗米してみると、ここで少し意外な感触がありました。表面はつるっと滑らかというより、キュッキュッとした指触り。水を含みすぎない、粒の芯がしっかりしたお米なんだなと、この時点で感じました。
洗米は3〜4回。水加減は炊飯器のモードにお任せしています。水は水道水ではなく、普段飲用しているブリタの浄水器の水を使用しました。
ここは私なりのこだわりで、クセの少ない水の方がお米の性格が出やすいと思っています。
炊飯条件へのこだわり

炊飯器は、タイガーの圧力IHご泡火炊き炊飯器を使用しています。
極端に高価なモデルではありませんが、安すぎもしない“中間クラス”。これは、お米の良し悪しをごまかさず、きちんと引き出したいという理由からです。
今回は「極うまモード」で60分炊飯。少し時間はかかりますが、時間に余裕があるときは、このモードが一番お米の輪郭がきれいに出ると感じています。
炊き上がりの瞬間

フタを開けた瞬間、立ちのぼった香りで、思わず手が止まりました。
「あ、これ…」
子どもの頃、実家のガス炊飯器のフタを開けたときの匂い。そのままでした。
派手な甘い香りではなく、記憶を一気に引き戻す、懐かしいご飯の匂い。不意打ちで、正直ちょっと泣きそうになりました。
しゃもじでかき混ぜると、すぐに分かります。軽い。あれ?と思うくらい軽い。もちもち系のお米の、あの重さがありません。
あっさり系のお米だからこそ、この軽さなんだと、手の感覚で理解しました。
実食レビュー|まずいどころか…

一口食べて、まず思ったのは、甘みはほとんどないということ。もちもち感もありません。でも、不思議とマイナスには感じませんでした。
一粒一粒がしっかりしていて、口の中でほどけやすい。だからといって硬いわけではなく、ちゃんと柔らかい。このバランスがとても食べやすいんです。
「どこがまずいの?」
正直、それが率直な感想でした。むしろ、この価格帯で、これだけクセがなく、あっさりしていて、毎日食べられるなら十分すぎる。
私の中では、この時点で「リピートありだな」と感じました。
特に印象的だったのが、おかずと一緒に食べたとき。ご飯が前に出すぎないので、おかずの味をしっかり引き立ててくれる。
結果的に、きらら397がどんどん進みます。
翌日検証|冷蔵保存後はどうなる?

少し余ったので、ラップに包んで冷蔵庫で約12時間保存してみました。
翌日、電子レンジで温め直し、おにぎりにして実食。
ここで、完全に予想を裏切られます。
もっちり感が出ている。
正直、水分が飛んで硬くなると思っていました。でも実際は、なぜか前日よりまとまりが出て、食べやすくなっている。驚きました。
「2日目の方が美味しくなってる…?」
そう感じたのが、嘘じゃないのが怖いところです。冷めても評価が落ちにくい、むしろ安定する。これが、業務用やお弁当で使われてきた理由なんだと、体感で納得しました。
結論として、きらら397は「まずい」と切り捨てるお米ではありません。派手さはないけれど、日常に深く寄り添う、本当に誠実なお米。この実食レビューを通して、私はそう感じました。
食感を左右するアミロース特性とは

きらら397の食感を理解するうえで欠かせないのが、デンプン成分のひとつであるアミロースの特性です。
お米のデンプンは主にアミロースとアミロペクチンで構成されていて、この比率がご飯の粘りや硬さ、口当たりを大きく左右します。
一般的な目安として、アミロース含有率が低いほど粘りが出やすく、高いほど粒がほどけやすくなります。
きらら397は低アミロース寄りだが、もち米のような強粘性ではないのが特徴です。
この「中間的な位置づけ」が、評価を分けるポイントにもなります。アミロースが極端に低い品種(いわゆる超もちもち系)を想像して食べると、きらら397はどうしてもあっさり感じられます。
つまり、きらら397のアミロース特性は、「粘りを前面に出す」ためのものではなく、粒感を残しつつ、食べにくさを抑えるためのバランス設計と言えます。
この特性があるからこそ、丼物やカレーなどでご飯が潰れにくく、料理と一体になりやすいわけです。
参考:北海道米LOVE きらら397誕生30年。 北海道米の歴史とこれから。
きらら397が吉野家で使われた理由
吉野家はこれだけで推せるのよ
きらら397は、業務用の現場でも長く使われてきた実績が語られることがあります。
外食、とくに丼ものは、タレや汁気と混ざったときに「ベチャッ」としやすいので、粒の輪郭が残ることが評価ポイントになりやすいんです。
家庭で牛丼や親子丼を作ったときに、「タレが染みてもご飯が崩れにくい」って感じることがありますが、あれに近いですね。
きらら397は、粘りが強すぎない分、丼との相性が良いと感じる人がいます。
外食の採用理由は、味だけじゃなく、安定供給や炊飯後の扱いやすさなど複数要素が絡みます。
家庭では「どんな料理で満足度が上がるか」を意識すると活かしやすいです。
きらら397を美味しくする炊き方

きらら397をおいしく食べたいなら、まず意識したいのは基本をどれだけ丁寧にやるかです。
もともと味の主張が強いお米ではない分、炊飯の条件がそのまま仕上がりに出やすく、「普通に炊いただけ」で評価が分かれやすい品種なんですよね。
私自身、いろいろ試してきましたが、きらら397は水・浸水・炊飯器の3点で驚くほど印象が変わります。
私がいつもやっている基本の炊き方
- 洗米は力を入れず手早く行い、ぬか臭さを残さない
- すすぎは水が軽く澄むまで3~4回で止める
- 浸水は季節で調整(夏は30分以上、冬は1時間目安)
- 炊き上がり後はすぐにほぐし、余分な水分を飛ばす
この工程だけでも十分変わりますが、私が特に効果を感じているのが使う水です。
私は水道水ではなく、ミネラルウォーターや浄水器を通した水を使っています。カルキ臭や雑味が抑えられるだけで、きらら397の穏やかな甘みが素直に出やすくなります。
きらら397はクセが少ない分、水の質がそのまま味に反映されやすいお米です。
さらに、炊飯器にも少しこだわっています。
私が使っているのは、タイガーの圧力IH「ご泡火炊き」炊飯器で、その中の極うまモードです。
圧力と高火力で一気に加熱されることで、きらら397でも粒の芯までしっかり火が入り、淡白さの中にコクが出る炊き上がりになります。べたつかず、でもパサつかない、ちょうどいい粒感です。
この炊飯器は極端に高価なモデルではありませんが、炊き分け性能が高く、コスパ重視の人にもかなりおすすめです。
粘りを少し足したいときは、炊飯器の「やわらかめ」「もちもち」系モードを使うのも一つの手です。
逆に、チャーハンやピラフ用なら、浸水を短めにして水加減をやや控えると、きらら397本来の粒立ちが活きてきます。
きらら397は、白ご飯だけで評価すると地味に感じられがちですが、丼・カレー・炒飯など料理と合わせたときに本領を発揮するタイプです。
炊き方を少し整えるだけで、「まずい」という印象はかなり薄れると思いますよ。
無洗米や早炊きを使うことが多い場合は、水加減や吸水の考え方が少し変わります。その点については、こちらで詳しくまとめています。
パサつかせないための水加減と保存方法

「まずい」に直結しやすいのが、水加減と保存です。ここを外すと、どんな銘柄でも一気に評価が落ちます。
水加減の考え方
基本は炊飯器の目盛り通りでOK。ただ、きらら397を硬めに感じたなら、次回は少しだけ水を増やすのがおすすめです。
増やしすぎるとべたつくので、最初は“ほんの少し”が安全です(量は炊飯器や好みで変わるので、あくまで目安として微調整してください)。
保存で味が落ちるのを防ぐ
お米は高温多湿が苦手です。常温で置きっぱなしだと、香りが飛んだり、古米臭が出やすくなったりします。
購入後は密閉できる容器に移して、できれば冷暗所、夏場は冷蔵庫の野菜室なども選択肢です。
高すぎなくて美味しく炊ける炊飯器
タイガーの「ご泡火炊き」炊飯器は、毎日のごはんをちゃんと美味しく食べたい人に向けた圧力IHジャー炊飯器です。
高級すぎて手が出ないモデルではなく、それでいて“炊き上がりの質”にはしっかりこだわっているのが大きな特徴ですね。
まず注目したいのが、土鍋炊きの良さを金属釜で再現している点です。
内なべには「遠赤9層土鍋かまどコート釜」を採用し、上部には熱伝導に優れた銅素材、下部には蓄熱性の高い土鍋素材のコーティングを組み合わせています。
これによって、土鍋ならではの泡立ちと蓄熱性を再現し、炊きムラを抑えながらお米一粒一粒にしっかり火を通してくれます。
強火で一気に炊き上げる“ご泡火仕上げ”は、粒立ちの良さを重視する人にはかなり相性がいい印象です。
次に便利なのが、少量でも美味しく炊ける「少量旨火炊き」メニュー。実は、0.5合〜2合といった少量炊飯は火加減の調整が難しく、ベチャッとしたり芯が残ったりしやすいんですよね。
この炊飯器は少量専用の火力コントロールで、お米の甘みとハリを引き出す設計になっています。「今日は一人分だけ」「その日食べる分だけ炊きたい」という人にとって、かなりありがたいポイントです。
さらに、保温中のごはんが劣化しにくいのも魅力です。
蒸気センサーを使って、ごはんから出る水分量を感知しながら温度を細かく管理。水分を逃がしすぎず、逆に蒸れすぎることも防いでくれるので、時間が経っても粒の輪郭を保ったまま、ふっくらした状態をキープしやすくなっています。
炊きたてだけでなく、「少し時間が経ったごはん」までちゃんと美味しいのは、日常使いではかなり大きなメリットですね。
タイガー ご泡火炊き 炊飯器は、
- お米の個性をしっかり味わいたい
- 少量でも妥協せず美味しく炊きたい
- 高すぎる炊飯器は避けたい
そんな人の希望を、バランスよく叶えてくれる一台だと思います。
気になった方は、どんなモデルがあるのか、販売ページでチェックしてみてください。今の食生活に合う炊飯器が見つかるかもしれません。
【まとめ】きらら397がまずいと思う前に知ってほしい食べ方と満足の形
本記事では、きらら397がまずいと言われるポイントを正面から整理しつつ、日常でちゃんとおいしく食べるための現実的なコツまで解説しました。
解説した内容をまとめたので、確認していきましょう。
- 甘みやもちもち感が控えめで好みが分かれやすい
- ゆめぴりか基準で食べると淡白に感じやすい
- 粒立ち重視のため白ご飯単体だと地味に感じることがある
- 冷めるとパラッとしやすくパサついた印象を持たれがち
- 一方で粒感や軽さを好む層からは高評価
- 丼物やカレーなど味の濃い料理と相性が良い
- 冷めても形が崩れにくく弁当や業務用に向いている
- 炊き方や水の質で味の印象が大きく変わる
- SNSでは昔の悪い記憶と現在の評価が混在している
- 北海道米の評価を変えた歴史的な品種
- 特Aではないが実用性重視でA評価を受けてきた
- まずいかどうかは用途と好み次第で大きく変わる
「きらら397 まずい」と検索しているあなたは、きらら397を買って後悔しないか、正直な評価を知りたいはずです。
SNSや口コミを見ると、まずい・美味しいが真逆で書かれていて、結局どれを信じればいいのか分からなくなりますよね。
それも無理はありません。きらら397は“好みと使い方”で評価が激変するお米だからです。
きらら397は、甘くてもちもち系ではなく、粒立ちが良くあっさりした実用米です。
北海道米の評価を変えた歴史的な品種で、丼・カレー・炒飯など「料理と一緒に完成する」タイプ。まずいと言われる理由の多くは、
- 期待値のズレ
- 炊き方
- 古米・保存状態
この3点に集約されます。
実際に丁寧に炊くと、「どこがまずいの?」「むしろ毎日食べたい」と評価がひっくり返る人が少なくありません。
私自身、23年ぶりに食べ直して、きらら397が“静かに心に残るお米”だと感じました。
もしあなたが、
- おかずを引き立てるご飯が好き
- 重たいもちもち系に疲れてきた
- 炊き方で味を引き出すのが好き
このどれかに当てはまるなら、きらら397は「まずい」どころか、かなり相性のいいお米かもしれません。
先入観だけで判断せず、一度、自分の食卓で確かめてみてください。きらら397の評価は、食べた人の生活スタイルそのものを映すお米です。

